ミャンマーの学校は6月から新学年がスタートします。2020年度はコロナの影響でほぼ1年間、学校に通うことができませんでした。そして今年は政変の影響で、多くの子どもたちが学校に通えていません。軍の支配に反対する意味で、学校をボイコットする運動が行われています。
「いくら民主主義が大事と言っても、子どもの教育の機会を親が奪うなんて良くない!」と思われるかもしれません。しかし、実際のところは主義主張というよりも、子どもを学校に行かせることに危険を感じている親が多い印象です。
今、ミャンマーでは、爆弾事件が頻発しています。町の学校の中には護衛担当の兵士がいます。銃を持った兵士の近くに子どもを行かせたくないのです。実際に学校に通っているのは、10%~20%と言われています。農村部の学校には兵士がいないため、町よりも農村のほうが通学率が高いようです。
また、5月ごろより新型コロナウィルスの感染が再拡大してきていることから、再び学校閉鎖になるのではないかとみられています。今のミャンマーでは、命を守るために教育をあきらめざるを得ない状況なのです。
多くの子どもたちは、2年連続で学校に通えていません。そのため、学校の代わりに塾に通わせる家庭が増えています。学校をボイコットして辞めた先生たちが家で塾を開いており、そこに行かせるのです。子どもの命と教育を守るため、親たちは不安や悩みを感じながらも模索を続けています。

各村で自主的に勉強会や塾を開き、子どもたちに学びの場を提供しているところも。